日本美術刀剣保存協会
　土浦亀城刀剣会

令和3年4月18日(日)　土浦市生涯学習館

9:00〜10:00

会場準備・受付(執行部)

土浦亀城刀剣会 総会式次第

10:00〜11:00　司会進行(野上)

1. 開会の言葉　　(福島副会長)
2. 土浦亀城刀剣会々長挨拶　　加藤会長
3. 西北支部支部長 土浦亀城刀剣会顧問挨拶　　中野支部長
4. 議長選出
   
   • 議案
   • 1号. 令和2年度活動報告(亀山)
   • 2号. 令和2年度会計報告(鈴木道)
   • 3号. 令和3年度活動計画案(亀山)
   • 4号. 令和3年度事業収支予算案(鈴木道)
   • その他、刀剣講座開催計画(市民、会員向け講座)など
5. 閉会の言葉　　(福島副会長)

11:00〜13:00

本部所蔵刀の三本入札を行います。
春、五月節句関係刀装具の鑑賞を行います。

13:00〜

昼食/解散（昼食は持ち帰り推奨の弁当）

お疲れさまでした。令和2年度はコロナウイルスの影響でほとんど活動ができませんでした。この令和3年度はコロナウイルスへの感染防止のうえで定例会を実施していけることを希望しています。
今年度も定例会内容の充実に努め本部学芸員招聘、本部所蔵刀を使った鑑賞会、鑑定会を通して会員刀剣鑑定の鑑識眼向上を図ります。
また、引き続き“親子で学ぶ日本刀”講座を継続していきたいと考えています。
会員皆様の協力、参加をお願いいたします。また、新規会員獲得の引き続き協力をお願いいたします。

鑑定刀（三本入札）

	種類	銘	長さ	國、時代	備考
１号刀	太刀	安綱	二尺四寸八分八厘	伯耆、平安中期	重要刀剣
メモ	安綱は平安初期が初代と言われている現存品から平安中期が現実的であり、備前友成なども平安中期からの作刀がみられる。鬼切丸安綱や童子切安綱が有名である。 地鉄は板目肌で大肌が現れ、総体に地錵が付き刃紋は錵本位(古備前は匂本位)で直刃調と湾乱れがある。区際に焼き落としがある。(古備前に焼き落としはない)
２号刀	太刀	来国光	二尺一寸五分強	山城、鎌倉末期	重要刀剣
メモ	来国俊の子(一説では門人)で鎌倉末から南北朝の作刀があり。堂々たる姿の太刀と細身、京反り、身幅狭く小切先など太刀、短刀共に広狭長短の姿があり、山城物の伝統的な直刃や直刃に小丁子、互の目を交えた物と湾れ、互の目が大模様に乱れる物があり来派の中で最も作域の広い器用な刀工と言える。 地鉄は大肌が交じり、横手下に弱い来肌が現れる
３号刀	刀	武蔵大掾藤原是一	二尺三寸五分	武蔵、江戸前期
メモ	江戸石堂派は近江蒲生郡石塔村石塔寺近くに住したことから起こった名称。福岡一文字助宗の系統を引くと言われる。江戸期に江戸系、京都、紀州、福岡に分散し匂い本位の備前一文字の作風を鍛えています。必ず鎬地寄りに柾目肌が出ます。是一は江戸初期から明治まで七代を数える。
４号刀	短刀	近江大掾藤原忠廣	九寸六分	肥前、江戸前期	重要刀剣
メモ	肥前忠吉家二代。地肌は山城梨地肌のような小杢目鍛えの小糠肌で帽子は小丸に返る肥前帽子となります。 刃文は小糠本位の直刃か足長丁子乱れも焼き乱刃紋の谷は特に錵が良く付く特徴があります。初代忠吉の直刃は完璧な直刃ではなく少し湾れ気味となる。
５号刀	刀	豊永東虎左行秀為嫡子幾馬 明治三年二月吉日行年五十八歳造之	二尺一寸六分二厘	武蔵、江戸後期
メモ	名は豊永久兵衛、号は東虎で筑前國生まれ。細川正義の高弟清水久義に学ぶ、土佐藩工岡田勝広の死後土佐藩工となる。晩年(慶應元年以降)の作が傑出している。地鉄は小杢目肌がよく詰み必ず杢目が流れて柾かかる所が見られます。

鑑賞刀＆刀装具鑑賞

1. 鑑賞刀（２口）
2. 刀装具鑑賞（春、五月節句関係鐔、小柄、縁頭など）

令和3年10月17日(日)　関本公民館　本部蔵刀鑑賞鑑定会

令和3年10月24日(日)　土浦市生涯学習館

10:00〜13:00

鑑賞会（３口刀剣）、鑑定会（５口、入札方式）、解説

	区分	銘	長さ	國	時代
１	刀	無銘（極め　加州景光）	二尺二寸四分	加賀	南北朝
来国俊門友重の門人で延文頃（1356-60）の藤島系加州加賀の刀工。作柄は美濃、備前、相州の三伝法を一丸とした様な一見して備前物に似た作柄です。姿の良い腰反りで身幅、重ねが頃合いで刃文は錵本位の互目乱れ、湾れ乱れ、尖り刃が交ります。今回の刀は以前備前小反り刀工に極められている。
２	刀	（菊紋）奥州磐城住和泉守國虎 宝永四丁亥年八月日以南蛮颪湯鐵作	二尺三寸五分半	磐城	江戸前期（宝永）
磐城平生まれ、井上真改の門人となり師の歿後磐城に帰り内藤家の抱工となる。貞享元年和泉守を受領し菊紋を拝領。今回の刀は国虎５０才の晩年作。地鉄板目流れ杢交り刃紋互目に小湾れ、尖り刃を交え足入り砂流しかかる。帽子は乱れ込み中丸に返る。「以南蛮颪湯鐵作」の意味は南蛮鉄を卸し鉄にして溶かして脱炭した鉄で作ったという意味。
３	刀	尾崎源五右衛門助隆 寛政六年二月日	二尺四寸	摂津	江戸末期
生まれ播州大阪黒田鷹諶(たかのぶ)門人。寛政１０年長門守を受領。多くの門人を育て市毛徳隣や直江助政も助隆の門。 津田越前守助廣の濤瀾乱写しを得意とした名手です。特徴としては濤瀾乱れ刃文の谷が角張る特徴があります。 今回の刀は二尺四寸の長さ、四分の浅い反りに濤瀾刃文を焼いた代表的な作品です。
４	脇差	奥大和守平朝臣元平 寛永二年戌二月	一尺八寸	薩摩	江戸末期（寛政）
奥家は波平系、元平は奥家４代元直の長男として延享元年（1744）の生まれ。天明５年（１７８５）薩摩藩工となり寛政元年（1789）大和守を受領。会津の角元興、備前長船横山祐平などが門人。反りの浅い長寸、身幅広く，大切先に重ねの薄い平肉が少ない独特の姿（元平姿）。刃文は荒錵本位で華やかな大乱れ、焼き出しがあり物打ち附近は特に荒錵が付薩摩の芋蔓状になります。茎尻に隠し鏨があります。
５	刀	左行秀（花押） 嘉永五年八月日	二尺六寸七分	土佐	江戸末期
新々刀最上作、細川正義の高弟清水久義の門弟と言われ安政二年（1855）に土佐藩藩工、初期は備前伝の小丁子乱れ、中期以降は相州伝の長寸、反りのある重ねの厚い切先の延びた豪壮な姿に荒錵本位の広直刃、湾れ乱れを焼きます。 地鉄は小杢目が良く詰み流れて柾掛かります。

鑑賞刀

	種類	銘	長さ	國	時代
１	短刀	横山伊勢守祐平 君万歳　備陽長船住人	九寸三分半	備前	江戸末期（文化）
横山祐平は備前祐永の父親で備前祐包の祖父、初銘は祐定、後、薩摩大和守元平門となり祐平と改名する。
２	短刀	無銘（極め　徳宗）	九寸三分	水戸	江戸末期
徳勝の師徳宗に極められた短刀。地鉄は柾目肌に中直刃の刃文を焼く。
３	脇差	水府住勝村徳勝作 文久二年二月日	一尺一寸二分半	水戸	江戸末期
切先が大きく伸びたおそらく造り風の作り込み。地鉄は良く練れた柾目肌整い刃文は直刃調に砂流しかかる。

令和3年11月28日(日)　講師・中茎元一氏(栃木支部)

令和3年12月12日(日) 第十二回　胤光忌　心慶胤光を偲ぶ

10:00〜10:30

胤光墓々参（神龍寺）

10:30〜12:30

刀剣鑑賞会（生涯学習館）

12:30〜13:30

食事会(弁当）

刀剣の部 心慶胤光

		銘	長さ
１	短刀	心慶胤光 花押 安政七年二月日	八寸八分
２	短刀	胤光造	八寸七分
３	太刀	土浦臣長尾心慶藤原胤光 文久二年八月吉日　応高橋君需作之	二尺四寸五分
４	刀	心慶胤光造 彫：(表)俱利伽羅(裏)梵字、護摩箸、爪	二尺四寸七分
５	刀	心慶胤光造 文久三年二月日　題目と梵字彫	二尺三寸二分五厘

刀剣の部 心慶胤光関係

		銘	長さ
１	短刀	三日月刻印　大慶直胤　花押 文化志知年　初冬	八寸二分
２	短刀	越前守直正 明治二年二月	七寸一分九厘半
３	刀	角　秀國鍛之 寛政四年二月日	二尺三寸二分強

注記

心慶胤光：須藤栄吉 天保三年(1832)四月十四日生 明治三十四年(1901)十二月十一日没、歿後118年 墓は土浦市内 神龍寺内、大慶直胤の門人で土浦藩々工長尾家を再興して土浦藩工となる。

大慶直胤：荘司箕兵衛 安政七年(1778)出羽國山形生まれ、水心子正秀の高弟、館林藩秋元家に仕える。安政四年五月二十七日没(1857)

角　秀國： 水心子正秀門、秀國は初期銘、会津藩命により寛政四年薩摩奥元平の門人となり元興と改銘後に会津藩工となる。文化七年三月二十八日没（1824）

宮崎直正 ： 慶心斉直正は相馬中村藩々工にして直胤門下、胤光とは兄弟々子で一時期土浦でも鍛刀しています。越前守を受領も明治の廃刀令にあたり入水自殺したと言われています。
明治12年１１月２４日没（1879）